管轄・根拠法令が異なるが、幼稚園が保育園に近づきつつある

表と文字保育園(保育所)は児童福祉施設という区分になり、幼稚園は教育施設という区分になります。しかし、近年、保護者のニーズに応えるため幼稚園も保育所化してきています。というのも、共働き世帯が増えてきたことにより、出産を終えた女性の早期社会復帰がニーズとして増えていき、形式的な幼稚園ではそれらのニーズをうまくくみ取る事ができないからです。国としても、認定こども園の条文明記、幼稚園の預かり保育の実施により、もはや乳児の預かりを除けば保育所と大きく変わらなくなってきました。

幼稚園の預かり保育も増加中

  • 預かり保育とは・・・働きながら幼稚園に通わせたい、保育所以外にも預けられるところがないか探しているという保護者の要望に応え、地域の実情に応じて、正規の教育時間終了後も引き続き在園児を夕方まで預かる事。

文部科学省は1997年度から私立幼稚園に対して「預かり保育推進事業」として私学助成の措置を行い、2002年度からは市町村に対して地方交付税が措置されています。また、2007年6月には学校教育法が改正され、預かり保育が法律上に位置づけられるとともに、2008年3月には、幼稚園教育要領が改訂され、預かり保育が教育活動として適切な活動となるよう具体的な留意事項が示されました。幼稚園としても預かり保育を実施することは、園児募集にも貢献するため、多くの幼稚園で実践されています。

幼稚園の預かり保育実施率

文部科学省の公表資料によると、2014年の預かり保育の実施園数は、公立私立含め10,093園あり、全幼稚園数の約82%が実施しています。1997年が4197園ですので、17年間でおよそ2.4倍も増加していることになります。2014年の内訳は、私立が7369園、公立が2724園と圧倒的に私立が多く、経営的観点から実施をしている様子も伺えます。

今後の幼稚園施設の見通し

上記の通り、幼稚園と保育園(保育所)のちがいは、根拠法令・管轄・資格・人員配置等あるにせよ、子ども・子育て支援新制度の創設により内閣府が管轄を超越して弾力的に保育ニーズに応えるため境目を無くしてきています。幼稚園施設が生き残るには、幼児教育のコンセプト(英語などを取り入れた教育など)やブランディング化、保育所に近い幼稚園施設としての取り組みが経営をやっていく上での見直しの必要性に迫られるでしょう。保育所化していく上でも、必要な要件、人員配置、資格などが必要になります。助成金を受けるためにはこうした条件を一個づつクリアしていかなければなりません。そうした一個一個の手続きをクリアしてお客様とよりよい保育所を共に作りあげ、長きにわたり保育所運営をお手伝いさせていただくこと、それがウォールズ行政書士事務所の使命感です。
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